我流スクラムを始めたチームが検査と適応を重ねた結果ルール通りに収束する話 ~デイリースクラム編~

割り込み一切無しで一つのプロダクト、プロジェクトに集中するのってなかなか難しくないですか?
もちろん実現できている現場もたくさんあると思いますが、私のところも含めて、一つに注力しきることができない現場も少なくはなさそう。

多少の割り込みで1,2割の時間が持っていかれるくらいならまだしも、並行して2,3件のプロジェクトに参画しているようなメンバーがいると、スクラムを理想の形で回すのってかなり難しいです。

そういった場合にどうなるかというと、アジャイル、スクラムの理想形から外れて、自分たちにあった運用ルールを定めたりします。
中にはアンチパターンと呼ばれるものもあるでしょうし、「もっと根本的な改善を!」というのがあるべき姿という話もあると思いますが、今回はその辺りは少し横に置かせてもらって…。
あるスクラムチームが試行錯誤を重ねて、自分たちのやり方を見つけていくお話です。

どんな問題が生じていたのか?

メンバーはスクラム経験者と未経験者の混在チームで、前述したようにスクラムチーム外のタスクを持ってるメンバーが多い状態。
※ちなみに私はスクラムマスターとして参画しています。

守破離は大事なので、まずはセオリー通りに毎日決まった時間に集まります。
で、その中で早々に起きた問題がこちら。

  1. 今日は別案件で埋まっているのでアイテム取れない、というメンバーが複数。
  2. デイリースクラムの時間帯に別件の会議がバッティングしていてそもそも出席不可。

①については、それ自体は分かっていたことですが、開発チームから意見がちらほら。
その日にスプリントバックログアイテム触れないメンバーのデイリースクラム出席は、純粋に負荷になってしまうのではないか?ということでした。

②はもうそのまんまで、人が集まれないという問題です。
外出予定と重なる日もあったりして、多いときは半分ちかいメンバーが欠席していました。

対策を考える

問題は起きつつもなんとか2週間のスプリントが終わり、レトロスペクティブで対策が検討されました。
その結果、次回からはデイリースクラムの運営をがらりと変えていこう、ということで、

対策:全体チャットに毎朝BOTから投稿を飛ばして、全員そのリプで共有事項を書く

このスクラムチームではコミュニケーションツールとしてチャットを使っています。それをうまく使って情報共有を図ろうというわけです。
確かにこれをやると、

  • アイテム取れない人は一言「取れない」と書けばいい。
  • その場にいない人も内容を書き残せる。

ということで、確かになんか良さそう。やってみましょう。

検査と適応を繰り返す

チャットベースの運用で何度かスプリントを回していくと、いくつか問題が発生。

自分以外の投稿内容が正確に頭に入ってない

読んでいないわけじゃないんだけど、余程の支離滅裂な記載内容じゃない限りは「たぶんそういうことかな?」って感じで補完してしまうようです。

内容を省略しすぎていて情報が抜けもれる

上記の裏返しかもしれません。もともと会話ベースの内容を文字に起こしてるからですかね。会話の流れがない状態なので記載粒度を変えないといけないのが難しい。

スプリントバックログアイテムの実施順序や内容に認識祖語が発生

これはスプリントプランニングのやり方にも問題がありそう。ただここで発生していた内容は、対面で会話できていれば回避できたような単純なミスでした。投稿という形で情報が小分けされると、チーム全体での作業の流れが見えにくくなるようです。

投稿のフォーマット指定してみたり、自分以外の投稿を読むときの注意事項を喚起したり、いくつか対策が打たれましたが、タスクがバッティングして実施されたあたりでこれはまずい、と再度対策検討。

結論:対面で実施が良い

結局のところ、情報を全員が見える場所に情報を「置いただけ」では共有は成されないってことですね。
レトロスペクティブ内で「これまで発生した問題は対面でやってれば一通り解決できた」ということになりました。

全体に伝えて、聞き手が受け取って、同じ解釈であることを感じとって、みたいな流れは普段あまり意識することはありませんが、会話の中でこそ成される非常に重要なことだと思いました。
なので、別に対面でなくてもそこが実現できるものであればよいのかなと。またいろいろ試してみたいと思います。

元はと言えば対面だとうまくいかないという問題から発展したことなので、チームは根本原因の解決に動くわけですが、それはまた別のお話。

まとめ

  • 透明性は会話の中で保たれていく、と感じた。
  • デイリースクラムの必要性を「体感する」ことができた。

デイリースクラムを実施する意味を伝えずに、やっていくうちに重要性に気づいてもらえたら、という風に進めていました。
きれいにハマって良かった!というのもありますが、私自身も非常に気づきが多かったです。”共有”ってそういうことだよね、と再認識。

そのうち、スプリントプランニングについてもこんな感じで書こうと思います。

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