アジャイルに懐疑的な人たちを理解してみようか

※ちょっと愚痴。あと弱音。

「アジャイルに懐疑的なようだ」

みたいなことを社内で耳にしました。
主に上位層なようで、まあ何となくそんな気はしていたけど、やっぱりそうなのか。

最初は「現場レベルでモノを考えずによくもそんなことを」と思ったものの、思い返してみればこれまでアジャイル絡みでは失敗続きではあって、
そこそこの規模のSIerだけど、というかだからこそ?、これまでやってきた開発とのギャップとか、現行のプロセスとか運用とか、よくある対アジャイルブレーキでうまくいかないこともしばしば。最初はバズワード的に始めているのも否めないし。

それは置いとくとして、なぜ懐疑的なのかを少し考えてみようと思いました。
だって多分、ちゃんとアジャイルを理解した上での判断じゃないから。理解したうえで「うちでは違うな」ならわかるけど。
(そんな排除するような結論に至るとしたらそれこそ理解してないだろ、とは言いたいけど。)

「うまくいっていない」事実に対してどんな印象を持っているか

多分、懐疑的になっているのは過去の取り組みがうまくいっていないから。
なので、まずどの取り組みがどんな印象を与えているのか、を考えました。

これまでやったことは、認識している限りだと

  • プラクティスの導入
  • アジャイルの教育
  • スクラムの実践
  • アジャイル布教

このへん。

プラクティスの導入

まずプラクティスの導入については、恐らく「朝会」「タスクボード」「イテレーション」あたり。上位層が認識してそうなのは。

しかしいずれも、懐疑的になるような結果にはなっていない気がしています。
プラクティスを目的もって導入しているかはともかく、PJメンバ的には何が良かったかは語れるっぽいし、悪いって感じではないので。

いや、もしかして、イテレーションはちょっと怪しいかも。
社内のプロセスに関わってくるプラクティスは、「現行運用防衛派vs変化適応過激派」の二項対立の構図を生みやすいので。

もしかしたら、この辺の歩み寄りが上手くいかずに「めんどくさい」とか「現実的じゃない」とか思われてしまっている?

アジャイルの教育

これは構図としては分かりやすくて、「金かけてるのに全然芽が出ない」ということな気がする。

お金使ってるのは大きく2種類で「アジャイルプラクティスやらスクラムマスターの研修系」と「カンファレンス参加系」。

前者は多分、研修参加した人はそこそこ面白さとか気づきとか得てるはずで、単に「とりあえず何人か有識者育てて展開作戦」が上手くいってない。
技術系とか、普段から使うものならそれでもスキルトランスファできると思うけど、アジャイル関係はそもそも個人スタートだと難しいだろうなぁと思ったり。
そこで目覚める人もいそうだけども。(自分)
組織的な枠組み作った後に、どこに何が必要かって感じでやっていったほうが良いのかも。

後者は主に私ですね。これは持ち帰ったあとの発信が足りてませんね。猛省。

スクラムの実践

これが実はかなり大きいかもしれない。

現状だと複数PJ並行でやってる人も多数な中で、まず体制確保のために選任確保が発生。(この時点で結構無理してる)

何とか確保できたとしても、不慣れな状態で試行錯誤はじめるので、まずスクラムチーム外から見た不透明さが際立つ。
長期的なスケジュールを求められても定めにくいし、ベロシティ読めないからいつ何が出てくるかも不安定。

最初の数スプリントは満足にリリースも出来ずに、なんとかチーム内が安定し始めた辺りで見えない力が働き始める…。

私がスクラムマスターやった時にもっとしっかりできていれば、と思い出すたびに悔やむけど、個人的にはしっかり糧になってはいる。
でも会社的には「やってみた結果ダメだった」になってしまっているだろう、と。

アジャイル布教

ずっと野良アジャイルやってた中でいろいろあった。

かれこれ2年半くらい、最初の方とか分かりやすい二項対立とあるべき論で突き進んでいたので、私自身がハードルを上げていたのかもしれない…。

過去に話を聞いてくれた人がそれを覚えていて、「アジャイルは難しいものだ」とか「現実的ではない」とかいう印象を持っているとしたらそれが影響してるかも。でも難しいのはある意味事実。

あとは、会社公式でアジャイルを推進していたときのこと。
「こういうプラクティスをやるとアジャイルです」とか「生産性が上がります」というような時期があったので、その期待値を満たせずに終わっているケースはあると思う。

いずれにしろ、誤解が正されないままに来てしまっていることが原因ではありそう。

何となく見えてきた原因に対策したい

誤解を解くぞ!!!

どの取り組みにも、原因として「誤解」が多いと感じました。
これってすごいありがちだし、世のアジャイルな人々はここを言語化することに全身全霊をかけてるところあるし、どんな強者アジャイル人でも日々新たな納得感を得ているだろうし、何を当たり前なことを、って気がするんですけどね。

言語化については自分の力量が試されるところでしょう。
あとは負の先入観を取り払わないと。

これまで何かを説明するときって、相手と自分の間の失敗をふりかえることはありました。
なんで伝わらないんだろう?とか、こういう説明のほうが良かったな、とか。
けど「相手の過去のふりかえりを含めて説明する」みたいなことはできてなかった気がします。何とか伝えようっていう気が強すぎたかも。
「あの時こうでしたよね、それって〇〇が原因だと思いません?アジャイルだとこう考えるんですよ~。」みたいに言ったほうが納得感ありそう。

…ちょっと教えすぎな気する。

アジャイルって言わない

もうその言葉聞くだけでその後の話入ってこないとかならもうアジャイルとか言うの辞めます。
上手くいったときだけ、「それ、アジャイル」って言う。

でもこれ実は、最近少しやっていて、一定の効果を感じてます。
「アジャイル」という言葉一言に含まれる情報量が多すぎてすべて引っ張られてしまうので、プラクティスの説明だろうがバズワード(マイクロサービスとかDevOpsとか)の説明だろうが「アジャイル」はNGワードにすると、終始興味深げだし、納得感でるのでお勧めです。

よく自分がやりがちなのが「これはアジャイルだな!!!」って自分だけ納得して突っ走ってアジャイルを説明の最初に置くパターン。良くない。

「銀の弾丸」説は収束した?

ずっとアジャイルは早くて安くて仕様変更し放題と思われてるという認識だったけど、もうそんな時代は過ぎ去ったんですかね。

偉い人が懐疑的って話聞いた後も少し各所の様子を探ったんですが、現場にも少しそんな雰囲気が…。
現場は単純に「そう簡単なもんじゃない」っていう認識みたいだったけど。

現状アジャイル必要?っていうのはそりゃあるけど、圧倒的にトライが足りてない状態でダメだって判断するのは、如何にも「答えだけ欲してる」感じがしてよろしくないです。
諦めんなよそこでぇ!!!

これまでは勘違いを正すようなアプローチ。
今後は「もっとやろうよ!」と引き戻すのか。いやいずれにせよ勘違いか。

とりあえず言えるのはアジャイルに対する投資が受けにくくなるのが心配です。
以上です。(終われ。)

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