Agile Talks vol.2 イベントレポート

参加しました。場所はfreee株式会社さん。

Agile Talks vol.2 (2020/01/27 19:30〜)
XP祭りでもRSGTでもプロポーザルを採用できない位,多くの方が話したいことがあるのかな?と思うので,月1位で60名から100名位入る場所で,ただただ主催者が聞きたい講演や参加したいワークショップを聞く/参加するとともに外部の方が参加できるイベントを作ってみようと思います. 皆さんもこんなイベント開催していくと,話し...

先月開催のvol.1は気付いた時には定員オーバーで、今回は申し込み時点でラスト1枠。
キャンセル発生考えればそこまでギリギリじゃないのかもしれないですけどね。
内容は、RSGTで惜しくも採用されなかった方のプロポーザルでした。

ちゃんとしてるScrumってどんなのだ?~”ざんねんスクラム”で学べるチームビルディング術~

高江洲(@takaesu0)さん 、山田 悦朗さんが登壇。
※適当に話し降ったり、割り込み歓迎という感じの進行でした。

「ざんねん」スクラムとは?
スクラムに関する誤解や誤用の総称。バットScrum。
そんな「ざんねんスクラム」のあるあるを紹介していく。

とにかく人が足りない!

どんどん規模が大きくなって、どこに行っても人が足りないと言っている。
→人が足りないのではなくて、できる人が足りない!
どんどん人を増やしていく現場多数。
できない人をどんどん放り込む。(プログラミング未経験とかもある。)

問題はそこじゃないんじゃない?
今はできないかもしれないけど、一緒にやりながらできるようになればいい。
でも、それはスピードが落ちることは認識しておかないといけない。
人増やせばその分アウトプットが増えるわけじゃない!

要件定義スプリントに続く設計スプリント

それウォーターフォールじゃない???
経験者は多そう。
方法論がWFでもアジャイルマニフェストに沿っていればいい、という考えもできる。

スクラムガイドにない謎のロール

マネージャとチームをつなぐだれかとか、プロダクトオーナーとチームを繋ぐだれかとか結構いる。
あなたの組織の謎ロールはどんなものがある?

ハイブリッドと呼ばれる何か

よくあるアジャイルとWFを組み合わせたやつ。
一つのPJでアジャイルとWFが同時に流れているものもあるらしい。(個人的には、スプリント内でWFやってるやつのイメージが強いです。)
高江洲さん自身はこのパターンでやっていたこともある。
性に合わない人達にはWFでやってもらう、という適材適所なやり方。

アジャイルだとうまくいかない

それアジャイルじゃなくてもうまくいかないでしょ!笑
アジャイルのせいにしてしまっているけど、そうじゃないんじゃない?。

Q:アジャイルだと上手くいかないってどんなとき?
A:ただ作ればおしまいなのに、探索的にやっているとか?

アジャイルのせいでうまくいかないっていうパターンを定義できないと、万能ってことになっちゃうよね。
なので、それを定義できないなら言えないのでは?(確かに…)

四半期ごとに異なるメンバー構成

プロダクトオーナーが半期で変わるというすごいパターンもある。
大きい会社だと多いかも。
チームが変わるのはある程度仕方ないが、変わらないのがベスト。
致し方ない場合は、過半数以上は変えないでほしいと言ったりする。

チームで培ってきた常識、共通理解が失われてしまう。
せっかくチームビルディングやってきたのに、コスト的のもかなりの無駄になる。

コマンド/コントロール型スクラムマスター

なかなかなくならない。
スクラムマスター初めてやる場合にはやりがち。
「そうしなければならないんです!」とキレられたケースもあるらしい。

プラクティスのコピペ型スクラムマスター

書いてあることや事例を丸々コピーするパターン。
これもスクラムマスターの初期にはありがちだと思う。

マネージャーとチームの関係が支援でなく管理

あれをやれ、これをやれとなるパターン。
最初だけそうならいいけど、いつまでもそうだとチームがつらい。

スプリントレビューにしゃしゃり出てくるマネージャー

すごい張り切って臨んでくる。
せっかくのステークホルダーとの接点なのに、急に意見してきてどんでん返しされたりする。

自称”経験豊富な”アジャイルコーチ

特に普段は何も言わない。
何か聞かれても、当たり障りのない占い師のようなことしか言わない。

アジャイルが一般に浸透し始めたからこそ、起きていることだと思われる。
やったことないけど、「お前いけ!」と言われて、本を読み漁って派遣されるパターン。
アジャイルがわからない現場に対して派遣されるのがほとんどなので、「そうなのか」と納得してしまう。危険。
コミュニティで聞いたことない人とかだと、ちょっと心配。必ずしもそうではないけど。

判断基準としては、
・どれだけスクラムガイド、アジャイルマニフェストに寄せているか。
・どれだけ実務を知っているか。
・プラクティスの話が多い人は、どうなんだろう?と思う時もある。
やり方ばかりでWhyに気持ちがいっていない。

その他

問題が起こりすぎてScrumやめた。
特に問題なくうまくいっている。
などなど。

さいごに

ざんねんと言いながらも、悪くはない。うまく回っているならそれでいい。
アジャイルマニフェストと、まずは向き合う。
アジャイルマニフェストを究極の理想論だとすると、それにできる限り近づいていけるようにギャップを埋めていこう!

感想

「わかる~!」の連続でした。なんか一通り実例を見たことある気がする。
でも多分、2年前の自分はこんな感じだったんだろうな…。
新しい現場や立ち上げ直後のチームに対して、チェックリスト的にも使えそうだなと思いました。

あと高江洲さんがアジャイルマニフェストを重視していると聞いて、なんだかうれしくなりました。自分が肯定されたような気分。(これはダメか・・・?笑)

「小さくするように動くフレームワークが好き」というのも、なるほど、と思いました。
わからなくなったらそんな視点で考えてみてもいいかも。

プロダクト開発に足りなかったピースとしてのマネージャー

三浦さん(@miuranobuak)が登壇。
プロダクト開発を行うチームのマネージャーとしてやってきたことのお話。

スクラムのロールで足りないものは誰がやるのか?

・他部署連携
・人事評価、採用
・会社へのルールの対応
などなど。
各ロールの主たる役割もある中で、それ以外を割り振るのはなかなか厳しい。

最初の2か月でやったこと

現場に入ってCEOとチームに最初に期待されたことは「開発チームを良くしてほしい」というざっくりしたものだった。

チームにヒアリング

チームがやりたくないと思っていたら変わらないので、まずは 意思確認。
やりたいことが違ったりするので、何を”なぜ”やりたいのかを聞く。
マネージャーからも提案をする。
そのうえで全体の意見から何をするのかを決める。

仕事の話をする時間を作る

手を止めて話す時間を作る
⇒今も1日1時間の時間をとっている。(すごい!)

失敗に成功するチーム

しつこく、何度でも、一貫して伝える。
頭おかしいくらい何度も言う。
そのうちに行動に現れてくる。

改善効果を実感してもらう

マネージャから動かないといけない。まずは自分でやって、効果的であることを示す。
⇒一人で付箋を貼って、ふりかえり実施。
改善を何個もやろうとしないで(個数制限して)、実行とその結果を知る。
長い期間で見たときに、どれくらいの改善がされたか、気づきを与える。
改善の実施間隔を徐々に短くする。

量と質とタイミング

初期は、圧倒的に質より量。勝手にできるようになるまでは。
ある時に、同じことをやっているように感じることがあるので、少し違う質の気づきを与えてみる。
イベント短くできないか?もっとスプリントレビュー面白くできないか?
変化を続ける!

期待値のすり合わせ

チーム全員が何を期待されているのかを把握する。
可能な限り明文化。
会社からの期待も意識する。

プロの環境を用意する

フレックスのコアタイムをなくした。
チームが判断したことを尊重し、コアタイム不要を受け入れた。
チームが考えて必要と思ったことを尊重する。

肯定的な自己充足的予言

プロとして接することでプロとして振る舞うようになる。
マネージャーとして、プロとして接することは重要。
人を変えるのは難しいので、まずはマネージャーとしての接し方を変える

2か月でいろいろなことが変わった

スクラムを実践する環境ができた。
これ以降、マネージャーからの発信で何かをすることはなくなった。
その後はスクラムマスターとしてチームに接した。
成長が鈍化するタイミングまで、こちらからは関与しない。
⇒勝手に改善してゆく。

会社の期待を伝える人間に

会社が期待する振る舞いを伝える。
1on1を活用するなど。
定期的にすり合わせて、変化する期待にも対応できるようにしている。

次にやったこと

組織や評価のことに取り組んだ
コンピテンシーマトリクスの導入
OKRの導入
評価制度の変更
などなど

まとめ

マネージャは、「良い感じ」を作る人。
結果的にうまくいっていればなんでもよいと思う。
良い感じになるために手を尽くす。
チームが様々な条件下で欠けているところをどうにかする。
すべて楽しく働くためにやってきた!

マネージャ不要論について

うまくいくのであればいらない。
でもその代わりにやらなきゃいけないことを誰かがやる。
楽しく働くためには必要なこともあるのでは?

感想

終始、スクラムマスターを見ているような感覚。
というよりかは、スクラムマスターを視野に入れた土台作りって感じかもしれません。
⇒多分、開発チームに対する「支援する」という姿勢がそう感じさせたのかも。

1日1時間話をするというのは、良さそうだなと思いました。
(最近自チームでも対話の大切さを痛感したばかりなので尚更。)

ふりかえりを一人でやってみたという話を聞いて、先日Developers Boost再演で聞いた蜂須賀さん(@PassionateHachi)の話を思い出しました。
自分がやって見せるというのは本当に効果的みたい。付箋とホワイトボードが多分最強。

自分から接し方を変えるというのは、最近いろいろなところでそんな話をインプットしている気がするので、本格的に意識していかないとな、と危機感を感じたりしました。
自分がこれまで疎かにしていた部分かもしれません。

コンピテンシーマップを導入したという話も出てきて、Management3.0も実はあまりわかっていないけど目を向けていかないと。

なんかやること盛りだくさんになってきた。それだけ毎度気づきが多い。

毎度のことながら、またたくさんの気づきを得られました!おしまい!

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